「ピアノを始めたけれど、指が思うように動かない」
「左右の手がうまく連携できない」
「もっとスムーズに好きな曲を弾けるようになりたい」
このような悩みを持つピアノ初心者の方は多いのではないでしょうか。
ピアノの上達には、好きな曲を練習することも大切ですが、同時に指の動きや手の使い方など、演奏の土台となる基礎力を身につけることも重要です。
そこで、多くのピアノ学習者に取り入れられている教材が「ハノン」です。
この記事では、ハノン初心者の方に向けて、基本的な弾き方や効果的な練習方法、注意したいポイントについて解説します。
ハノンで鍛えられる基礎力
ハノンとは、フランス人シャルル・ルイ・ハノンによって作られた、指の独立性や運指の安定、音の粒をそろえる力など、ピアノ演奏に必要な基礎技術を身につけるための練習曲集です。
ハノンを練習することで、以下のようなピアノ演奏に必要な基礎力を身につける練習になります。
指の独立性
ピアノでは、5本の指をそれぞれ別々に動かす必要があります。
しかし初心者の場合、薬指や小指が動かしにくかったり、特定の指だけ力が入りすぎたりすることがあります。
ハノンでは、普段意識しにくい指も使うため、指を均等に動かす感覚を養う練習になります。
左右の協調性
ピアノでは、右手と左手が異なる動きをする場面が多くあります。
ハノンを両手で練習することで、左右の手を同時に動かす感覚を身につけることにつながります。
音の粒をそろえる力
同じ音型を繰り返すハノンでは、音の大きさやタイミングをそろえることを意識できます。
均一な音を出す練習は、さまざまな曲を演奏するときにも役立ちます。
リズム感
一定のテンポで練習することで、リズムを安定させる力を養えます。
指の持久力
ピアノ演奏では、長いフレーズを安定して弾き続ける力も必要です。
ハノンを継続的に練習することで、指を動かし続ける基礎的な力を身につける練習になります。
基本的な弾き方
ハノン初心者の場合、最初から速く弾くことを目標にする必要はありません。
まずは、正しい動きで安定して弾けることを優先しましょう。
最初はゆっくり正確に弾く
ハノンを見ると、同じパターンが続くため「速く弾いた方が上達する」と考えてしまうことがあります。
しかし、初心者の場合は、速さよりも正確さを優先して、ゆっくり丁寧に弾くことが大切です。
練習するときは、指番号を守る、音を均等に出す、手や腕に余計な力を入れない、などを意識しましょう。
ゆっくり正しく弾くことが、安定した指の動きを身につける基本になります。
指番号とフォームを意識する
ハノンでは、決められた指番号で練習することが基本です。
指番号を守ることで、効率的な指の動きを覚えやすくなります。
また、以下のようなフォームも意識しましょう。
●指を自然な丸い形にする
●手首を柔らかく保つ
●肩や腕に力を入れすぎない
ハノンの練習では、正しいフォームを意識し、手や腕に余計な力を入れないことが重要です。
初心者の時期に正しいフォームを意識することは、その後の演奏にも役立ちます。
メトロノームを使ってテンポを整える
最初はメトロノームを使い、無理なく弾けるテンポから始めましょう。
一定のテンポで弾くことで、リズムが安定する、音のばらつきを確認できる、少しずつ速くする練習ができる、といったメリットがあります。
ですから、最初は無理のないテンポから始め、正確に弾けるようになってから少しずつ速度を上げましょう。
効果を高める練習方法

ハノンは「何曲進んだか」よりも、「どれだけ正しく弾けているか」を意識することが大切です。
ハノンは、ただ毎日繰り返し弾くだけではなく、目的を持って練習することでより効果的に取り組めます。
初心者の場合は、「速く弾くこと」よりも「正しい動きを身につけること」を意識しましょう。
練習前に手や指をリラックスさせる
ピアノを弾く前に、手や腕の力を抜くことは大切です。
初心者のうちは、きれいな音を出そうと意識するあまり、指や肩に力が入りやすくなることがあります。
練習前には、以下のような簡単な準備を取り入れてみましょう。
●肩の力を抜く
●手首を軽く動かす
●指を自然に開いたり閉じたりする
●手を軽く振ってリラックスする
手や指が自然に動かせる状態を作ることで、ハノンの練習にも集中しやすくなります。
音の粒をそろえることを意識する
ハノン練習で大切なのは、速く弾くことだけではありません。
一つ一つの音が同じような大きさやタイミングで鳴っているかを確認しましょう。
例えば、親指だけ音が強くなる、薬指や小指の音が弱くなる、音の間隔が不均一になる、といった部分に気づくことが、演奏の安定につながります。
ゆっくりしたテンポで、自分の音をよく聴きながら練習することがポイントです。
毎日短時間でも継続する
ハノンは、一度に長時間練習するよりも、継続して取り組むことが大切です。
例えば初心者の場合、1日5分程度1〜2種類の練習曲を丁寧に弾くといった方法でも、基礎練習の習慣作りになります。
大切なのは、たくさん進むことではなく、正しい弾き方を毎日確認することです。
ハノン練習のポイント
ハノンは基礎力を身につけるために役立つ練習曲集ですが、練習方法を間違えると効果を感じにくくなる場合があります。
初心者は以下のポイントに注意しましょう。
最初から速く弾こうとしない
ハノンでは、速いテンポで弾けるようになることを目標にする人もいます。
しかし、最初から速度を上げると、音が乱れる手原因になります。
まずは「ゆっくりでも正確に弾ける状態」を目指しましょう。
正しい動きが身についてから、少しずつテンポを上げることが大切です。
指や手に力を入れすぎない
初心者によくある悩みのひとつが、指や腕に余計な力が入ってしまうことです。
力が入りすぎると、指が動かしにくくなったり、疲れやすく感じたりすることがあります。
鍵盤を強く押し込むのではなく、自然な重さを使って弾く感覚を意識しましょう。
痛みを感じたら無理をしない
手や指に痛みを感じた場合は、無理に練習を続けず休むことが大切です。
ピアノ練習では、「疲労感」と「痛み」は区別することが大切です。
もし、指の関節に痛みを感じる、手首に違和感がある、腕に強い張りを感じる、といった場合は練習を中断して休みましょう。
無理をせず、正しいフォームで継続することが長くピアノを楽しむためのポイントです。
どこまで練習すればいい?
ハノンは60曲の練習曲から構成されていますが、初心者が最初からすべてを練習する必要はありません。
まずは、基本的な指の動きを身につけるために、最初の練習曲から丁寧に取り組むことがおすすめです。
練習するときは、正確に弾けているか、音の粒がそろっているか、力が入りすぎていないか、などを確認しましょう。
ハノンでは、「何曲進んだか」よりも「どのような音で弾けているか」が重要です。
初心者の場合は、少ない範囲でも正しい練習を積み重ねることが上達につながります。
好きな曲を組み合わせる
ハノンは指の基礎力を養うための練習ですが、ハノンだけを続ける必要はありません。
ハノンだけではなく、好きな曲の練習と組み合わせることで、バランスよくピアノを学べます。
例えば、ハノンで指を整える、音階や簡単な練習曲を弾く、好きな曲を練習する、という流れにすると、基礎練習を演奏につなげやすくなります。
ハノンで身につけた指の動きやリズム感は、さまざまな曲を弾く際の土台になります。
基礎練習を無理なく取り入れながら、自分の好きな音楽を楽しむことが大切です。
まとめ
ハノンは、ピアノ初心者が指の動きや演奏の基礎力を身につけるために活用されている練習曲集です。
速く弾くことだけを目標にするのではなく、自分の音や指の動きを確認しながら取り組むことで、より効果的な練習になります。
ハノンを基礎練習として上手に取り入れ、好きな曲をより自由に楽しめるピアノ演奏につなげていきましょう。

